君の膵臓をたべたい 映画と原作の違いまとめ ※ネタバレあり

君の膵臓をたべたい 映画 感想 ネタバレ
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映画「君の膵臓をたべたい」がとても素敵だったので、すぐに原作を読みました。

小説もとっても素敵な内容でしたね。映画に出てきたキャストの顔が頭に浮かんでいるので、スムーズに読み進めることができました。

さて、映画と原作では内容が異なる箇所がいくつかありましたので、この記事ではそれをまとめてみました。

思いっきりネタバレを含んでいます。

“私、生きたい。大切な人達の中で”

ぜひ原作を読んでもっとキミスイを好きになってください


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映画と原作の違い①
12年後は描かれない

公式HPやパンフレットを読めば書いてありますが、映画で描かれた12年後の【僕】は原作では描かれません。

小栗旬も北川景子も登場しません。あれは月川翔監督オリジナルのアイディアです。つまり、結婚式のシーンは登場しませんし、手紙のシーンも描かれません。

それでもあの手紙の内容は描かれています。

映画では途中で終わっていた『共病文庫』ですが、原作では最後のページに桜良の遺書が描かれています。

映画に登場した手紙の内容はそこから引用したものです。

ちなみに、恭子にその遺書が伝わったのは、【僕】が共病文庫を受け取った後。カフェで【僕】が恭子に『共病文庫』を差し出しています。

つまり、図書室で手紙を探す描写もありませんし、そもそも原作で図書室は詳細には描かれません。

映画と原作の違い②
仲良くなった僕と恭子

映画では、結婚式のシーンで初めて【僕】と恭子が友達になります。

原作では【僕】と恭子が仲良くなり、一緒に桜良の墓参りに出掛けたり、桜良の家族と食事をするようなシーンが描かれます。

【僕】と恭子が仲良くなっていく描写は省略されていましたが、きっと壮絶なものだったんでしょうね。

ちなみに、原作では恭子が「ライオン」のように描かれているのが面白いです。

横に、ライオンが立っていた。

挨拶も何もなく放たれた親友さんのその一言には、答えを誤れば噛みちぎるという迫力があった。

「君が説得してくれたのが麻酔銃みたいに効いてるのか、まだ跳びかかられてはないよ」 「私の親友を猛獣みたいに言うのやめてよ」

映画と原作の違い③
星の王子さま

映画にも原作にも『星の王子さま』は登場します。

映画では序盤に渡されるこの本ですが、原作では桜良が本好きな【僕】を家に呼ぶための口実としてこの本を渡します。

なお、映画の『星の王子さま』にはニコマークがありません。また、映画では『星の王子さま』を盗んだ桜良の元カレですが、原作では「本のしおり」を盗んでいます。

セコイぜ!

映画と原作の違い④
山内桜良の恋心

映画では最後まで「好き」といわなかった【僕】と桜良

原作でも告白するシーンはありませんが、桜良が【僕】に恋心を抱いたことがあると明確に綴られています。

正直に言うとさ、私は何度も、本当に何度も、君に恋をしてるって思ったことがあるの。

例えば、あれ、君が初恋の人の話をしてくれた時。私、胸がキュンってなったもん。

ホテルの部屋でお酒を飲んだ時もそう。初めて私からハグした時もそう。

しかし、『君の膵臓をたべたい』という傑作において、桜良の感情を「恋」と呼ぶのはあまりにも安っぽいです。

それにね、私達の関係をそんなありふれた名前で呼ぶのは嫌なの。

恋とか、友情とか。そういうのではないよね、私達は。

もし君が私に恋してたらどうしてたかな、それはちょっと気になります。訊く気も術もないけどね。

ぜひ原作を読んでみてください。

その他の小ネタ

映画と原作の細かな違いをあげるとキリがありませんが、気になったシーンだけ描きます。

初デートの服装

あの病院での偶然以来、久しぶりに見た彼女の私服はTシャツにジーンズというシンプルなものだった。

初デートで焼肉を食べにいくシーン、映画ではかわいらしい服装だった桜良ですが、原作では「Tシャツにジーンズ」とシンプルな服装でした。

ここは月川監督にナイスと言っておきましょう笑

パンツは兄のもの

【僕】が桜良の家でシャワーを浴びてパンツを借りたシーン。

映画では「父のパンツ」ということでしたが、原作では「兄のパンツ」でした。

なぜ変更したのでしょうか?笑

原作にしか描かれないシーン

続いて、原作にしか描かれなかった素敵なシーンをまとめてみました。

届いていたメール

「君の膵臓をたべたい」
【僕】が桜良に送った最後のメールです。

そのメールを桜良が見たのか、見ていないのか、上映後ずっと気になっていましたが原作ではその答えが明かされます。

メールは、開かれていた。

届いて……いたんだ…………。

そのメールを読んだ後の桜良の笑顔が目に浮かびますね。

ハグ

君も最近、誰かの体温が好きになってきたんじゃないの?

映画で桜良と【僕】が抱き合ったのは桜良での家でのシーンのみですが、原作では何回も抱き合ってます。うらやましいぞコノヤロー!笑

抱き合っている姿を恭子が目撃するなんてことも。恐ろしや笑。

初恋の人

【僕】が初恋の人を好きになった理由はとても素敵でしたね。でも実は、その理由がデマカセだったことが原作では明かされます。

その嘘は明かさなくても良かったかな笑

僕がいつか話した初めて好きになった人の話、あれは嘘だ。  言ったよね、「さん」をつける人の話。あれは真っ赤な嘘、僕の作り話だ。

共病文庫

桜良がなぜ『共病文庫』という名前をつけたのが、その理由が原作では描かれます。

病気になったって分かってから色んなことを考えたんだけど。

その一つとして、病気になった自分の運命を恨まないって決めたっていうのがある。

だから、闘病じゃなくて共病文庫っていう名前にした。

これは素敵なシーンなので、映画でも取り入れて欲しかったな〜。

死ネタ・膵臓ネタ

映画にも原作にも、桜良が自分がもうすぐ死ぬことを明るく捉えた「死ネタ」がたくさん登場します。

こんな風に自分の死を笑えるのは桜良くらいでしょう。面白かったのでその一部を書き記しておきます。

「いい天気ー。こんな日に死のうかなー」

「すみません、自殺するためのロープを探しているんですけど、やっぱり外傷とか負いたくないんで、その場合どのタイプが無難ですかね?」

「人間やっぱ外見より中身の方が大事だね」 「完璧に言葉の使い方を間違ってるね」

ここはぜひ原作を読んでほしい笑

「君みたいに脳じゃなくてよかったよ」 「腐ってるのは膵臓ですぅ」

「あははははははははははは! 見て見て! 『病、やがて治る』だってぇ! 治んねえっつうの!」

「君より先に死んだ方がいい人間はたくさんいるもんだね」 「本当だよ!」

彼女は膵臓を抱えてどぅわっはっはっはと笑った。

原作も映画もとっても素敵なので、どちらもチェックしてくださいね!

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1 COMMENT

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昨日、原作を読みました。
初恋の話について考えたのですが、こんなのはどうでしょうか。

この記事に引用されている部分の直後に、
“本当の話はそうだな。今度また君と会った時にでも。もし、僕の本当の初恋みたいな女の子がまた現れたなら。今度こそ、その子の膵臓を食べてもいいかも。”
とあります。
本当の初恋の人みたいな女の子が”また”現れたなら。”今度こそ”、その子の膵臓を食べてもいいかも。
つまり、本当の初恋の人がいたが、その人の膵臓は食べられなかった。
初恋の人は山内桜良なのではないでしょうか。

この作品で、主人公の志賀春樹が彼女に恋をしていると明言する部分はありません。
彼にとって、桜良は憧れの人、なりたいと思っていた人であると同時に、初恋の人でもあった。それを”恋”という言葉で片付けることなく読者に伝えるために嘘を明かしたのではないでしょうか。
彼も”僕も公平にネタをばらしておこうと思う。”と言っていますしね。

彼の性格と言動からして、嘘はただなんとなくついたのでしょう。彼女が感動していたから言い出せなかったというのも本当だと思います。
この嘘を明かして読者に伝えた。

嘘を明かすこの部分が、共病文庫の遺書にあった”もし君が私に恋してたらどうしてたかな、それはちょっと気になります。”に対する答えにもなっている気がします。

恋をしていた、とか好きだった、という表現ではないので、2人の関係性のイメージが壊されていない感じで自分は好きですね。ただ少し唐突で分かりにくいとは思いましたが。

いかがでしょうか。

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