海街diary感想|自然な会話に癒されるやさしい作品 ※ネタバレあり

タイトル通り「diary」

始まりがどこかにあるわけでも終わりもしっかりとあるわけでもない。特別なエピソードがあるわけでもなく、かといって穏やかに過ぎ去っていくわけでもない。

長女、次女、三女、そしてすず。それぞれの悩みや葛藤が少しづつ日常に溶け込み、やさしく浄化されていく。

こんな作品は初めて。

 

評価が高いのは納得。それでも、盛り上がりにかけるのは事実。見る人を選ぶ映画だと思う。実際、面白くないという意見もちらほら見かけるしね。

でも不思議と2度3度と見たくなる映画。いやらしさが全くないんだよね。

次第に仲良くなっていく4人姉妹の会話を聞いているだけでほのぼのする。

兄弟っていいな。姉妹っていいなって気持ちになる穏やかな作品。

ちょっと疲れていて癒されたい人にはオススメです。

海街diary あらすじ

まぶしい光に包まれた夏の朝、三姉妹に届いた父の訃報。十五年前、父は女と出て行き、その後、母も再婚して家を去った。

三姉妹を育てた祖母もとうに亡くなり、広くて古い鎌倉の家には、彼女たちだけが残った。

両親へのわだかまりを抱えた、しっかり者の長女の幸と、そんな姉と何かとぶつかる次女の佳乃、マイぺースな三女の千佳。

三人は父の葬儀で、腹違いの妹すずと出会う。 頼るべき母も既に亡くし、それでも気丈に振る舞う、まだ中学生のすず。 そ

んな彼女の涙を見て、幸は、別れ際に「いっしょに暮さない?」と誘う。 そして、秋風とともに、すずが鎌倉へやって来る。

四人で始める新しい生活。 それぞれの複雑な想いが浮かび上がる――。

海街diary 感想


出典:http://eiga.com/movie/80446/gallery/10/

この映画の予告編を作るのって難しいよね。

そこかしこに見所はあるけど、それぞれが映画全体で際立って大きなテーマというとそうでもない。

この映画を一言であらわすのはかんたんだけど、この映画全体のテーマが何なのかを読み取るのは難しい。

見た人によって違う感想が返ってきそう。

 

是枝監督は作品ごとにわかりやすいテーマを観る人に投げかけて、観客が解釈を楽しむようなイメージあるけど、この映画は全く別。

あえていえば、美しい風景とほのぼのした空気感をこれでもかってくらい押し付けている感じ。

やさしい人にあふれすぎていて、こんなのリアルな鎌倉じゃないよって思うかもしれないけど、たっぷり世界に浸れる。

 

浮気・不倫物語ではないんだよね。どんだけってくらい浮気・不倫してるけど。

浮気や不倫が美化されているわけでもなく、かといって責められているわけでもなく、それも含めて日常のワンシーンにまとめられる。

これってすごいことだと思う。

海街diaryの会話シーンが大好き


出典:http://eiga.com/movie/80446/gallery/2/

海街diaryでいちばん好きなのは4姉妹の会話シーン

こんな美人姉妹いる?(絶対いない)

 

もちろん美人の4人だから見ていて楽しかったってのもあると思うけど、4人の自然な絡みがとにかく愛おしかった。

家庭での食事シーンはもちろん、海猫食堂での会話とかも、とにかく自然。

台本を決めずに撮影したシーンが多いみたいだけどなるほどねって思った。こんな会話台本通りに喋れないよね。

 

そして、そんな是枝監督の無茶ぶりに応える4姉妹が凄すぎる。

この4人は美女すぎるから、反感を招きやすい側面もあると思う。それでも女優・モデル感がまったくなくて、とにかく楽しそうに過ごしてる。

 

1年以上をかけて撮影したと聞いて納得。あんな空気感、わずかな撮影期間じゃ絶対に作れないからね。

4人の女優としての魅力というよりは、人間としての魅力が溢れでていた作品。

特に長澤まさみは圧倒的だった。彼女が出演した作品をあまり見たことがないけど、適度に場を盛り上げて、それが全くうるさくない。

 

そして、初めて3姉妹に会った時は暗く苦しんでいたすずちゃんが、少しづつ元気になっていく様子も大好き。

映画を見終えて、あらためて最初から見直すとビックリするもんね。すずちゃん「暗っ!」って。

少しづつだけど、いい顔見せるようになるもんね。まだまだ子供な感じもあいまってとにかくかわいい。あざとさが全くない素朴なかわいさ。

海街diaryを彩った鎌倉の風景

海街diaryのもうひとつの魅力はきれいな鎌倉の四季。

何度かいったことあるけど、鎌倉ってこんなに綺麗だっけ?

桜のトンネルはもちろん、砂浜とか、駅とか、海の見えるカットとか、何気無いシーンがほんとに様になる。

古めかしい家もいい味出してる。ずっとああいう家に住みたいかというとそうではないけど、たまに行きたくなる。

まるでおばあちゃんの家に遊びにいったような感覚。そりゃあ居心地いいよね。

 

あんな美人姉妹が庭でウメ取ってるとか、そりゃあ反則だわ。

家の柱に身長を刻むシーンとかもすっごく好き。都会のマンションじゃあんなことできないよね。

「しらす」とか「梅酒」とか「浴衣」とか、何気無い小物にも気の利いたエピソードが用意されていて映画を彩っている。

全く伏線っぽくない日常のセリフの連続だけど、2回目・3回目と読むと、何気なく放った言葉がのちのちじんわり効いて、ほんと是枝監督の手腕に脱帽。

ムダなシーンばかりに見えるけれど、それがムダではなく。むしろムダなシーンが一切排除されていて洗練されている印象すらある。

ホームドラマっぽい作品ってあまり見たことがないけど、「お涙頂戴」という雰囲気ではなく、少しづつほんわか癒される映画って本当に貴重だと思う。

海街diary 評判

海街diaryを見た人の感想を集めてみました。
映画の雰囲気同様、やさしい感想が多いです。

お父さん、ほんとダメだったけど優しい人だったのかもね
だってこんな妹を残してくれたんだから

 

海街diaryはAmazonプライム会員なら「プライムビデオ」で無料で見られます。

是枝監督は他にも素敵な作品がたくさんあるので、ぜひ観てください。

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