感想|あさひなぐに乃木坂46を起用して正解だったのか? ※ネタバレあり

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大好きなマンガ。大好きなアイドルが主要キャストを務めるということで、ずっと前から楽しみにしていた映画「あさひなぐ

なぎなたの試合を見るのは初めて!

アイドルを映画に起用するとどうしても批判されがちですが、乃木坂メンバーの個性と原作のキャラクターがバッチリ合っていて、全体的には良い印象の映画です。

旬のアイドルを「面を通して」描くなんて贅沢ですよね笑

ただ、乃木坂46を起用したことのデメリットもちらほらありました。

高校部活界におけるアメリカンドリームであるなぎなたを描いた青春スポ根映画、『あさひなぐ』を振り返ります。

あさひなぐで初めて見た本物の薙刀

原作『あさひなぐ』を読んでいたものの、なぎなたの試合の映像は初めて見ました!

第1印象は、「想像以上に速い!」

あんなに長い武器を持っていたら速く動くのは難しいと思いますが、想像以上のスピードに驚かされました!

あの速さで面・胴・小手に加えてスネまで守るなんて大変ですね。素人考えですが、番狂わせが起きやすいスポーツのような印象を受けました。

あさひなぐの見どころは「面」をかわして持ち替えてスネを打つシーンですが、あのスピードの世界で、一瞬で持ち替えるなんて大変ですよね!

試合で決まったら気持ち良さそう!

試合のシーンは所々スローモーションが入りましたが「そんな演出はいいからリアルな試合をまるごとみたい!」と純粋に思いました!

試合のシーンもスタントマンを使わずに乃木坂メンバーが演じていましたがサマになっていましたね!『あさひなぐ』に向けてたっぷり練習したのが分かります。

余談ですが「リズムなぎなた」は想像以上に可愛かったです。確かに初見であの音楽が聴こえてきたら絶対笑っちゃいます笑

意外だったのは、映像で見るとなぎなたが想像よりも短かったところ。

なぎなたの長さは210-225cm。なぎなたの隣に並んで立つと長く感じますが、試合では柄の途中を持つからか、あまり長さを感じませんでした。

あさひなぐの乃木坂キャストはハマリ役

『あさひなぐ』は主要キャストの大半を乃木坂46メンバーが演じています。

アイドルを起用すると批判されがちですが、あさひなぐは比較的批判が少ない映画だと思います。

その理由は、キャスティングが絶妙だったから!

西野七瀬の「自信がなくても一直線に頑張るキャラクター」は旭そのものだし、白石麻衣なんて宮路真春にそっくり!凛とした姿が素敵でした!

伊藤万理華も野上えりにあそこまで雰囲気が似ているとは思いませんでした。公式パンフレットに「個性が弱く演じるのは難しいキャラクター」と書いてありましたが、上手く演じていたと思います。

ただ、桜井玲香(将子)と松村沙友理(さくら)は好演でだったものの気になるシーンもちょこちょこ。

桜井玲香はガンを飛ばすシーンが不自然でしたし、松村沙友理も「背が高いキャラ」という紹介がピンとこなかったです。

特に松村沙友里は「自分大好きキャラ」が強すぎました。原作のさくらはあそこまで自由奔放ではありません。

時間の制約もありますが、桜井(将子)の「剣道となぎなたの違いに苦しむシーン」をもうちょっと見たかった。

原作ファンとしては将子の葛藤が『あさひなぐ』にハマるひとつのきっかけでもあったので、欲を言えば桜井に剣道を習ってからなぎなたの練習をして欲しかったです。

この2人は乃木坂メンバーではなく、俳優さんを起用してもよかったのではないでしょうか。

生田絵梨花(寧々)は出番が少なかったですが、安定感のある演技を見せてくれました!

凛とした雰囲気が伝わってきましたし、最後に負けた後のペコリもかわいかったですね。

熊本を離れて、孤独に苦しむキャラクターをもっと見たかったのですが、時間の制約もあるため仕方ありません。生田絵梨花の実力というよりは脚本の問題でしょう。

あと、女子高生役の斉藤優里と中田花奈はバッチグーです!

あさひなぐに乃木坂46を起用したメリット

旬のアイドル・乃木坂46のメンバーを大胆に起用した『あさひなぐ』

収益面を除くと、乃木坂46を起用した1番のメリットは西野七瀬と白石麻衣のハマりっぷりです。

23歳の西野七瀬は高校1年生の旭と年齢がこそ離れていますが違和感はほとんどありませでした。

自分に自信がない、、けれども頑張り屋さんという旭のキャラクターは西野七瀬本人そのもの!

原作の旭はもっと落ち着きがなくてドジっ子要素が強いので、ちょっぴり物足りなさはありました。

それでも防具なしで真春に挑もうとしたシーンの空気感は、誰もが出せるものではありません。

ちょっと前まで美術部だった旭が初めてスポーツにハマり、強い人に立ち向かっていく。

このシーンはスポーツ未経験者にしか出せない味がにじみ出ていました。あと、最後の試合に勝った時の笑顔はやっぱりなーちゃんですね!

そして、、何よりも白石麻衣!
カッコよすぎでしょう!!

「凛」という言葉がこれ以上似合う女性がいるでしょうか?

白石麻衣以上に宮路真春にピッタリの人はいないと思います。あの強さと美しさ、まさに旭が憧れた先輩・宮路真春がそこにいました!

違和感があるとしたら「美しすぎる」ということくらいですかね笑

あさひなぐに乃木坂46を起用したデメリット①

さて、乃木坂メンバーについての印象は既に述べてきましたが、やっぱりデメリットもありました。

これは作り手というよりも見る側の問題なのですが、乃木坂メンバーの強さが原作キャラを超えてしまうんですよ!

具体的にいうと、旭と真春が話しているシーンを見て、「西野七瀬と白石麻衣が話してる!」と思ってしまうんです。

わかりますかね?
乃木坂ファンならわかると思います。

これが映画の中でなかなか払拭されなかった。「旭のストーリー」が見たいのに、頭の中では「西野七瀬のストーリー」が浮かんでしまう。

「旭、頑張ってるな!」ではなく、「西野七瀬、頑張ってるな!」と感じてしまうんです。

乃木坂メンバーが会話すると、どうしても普段の乃木坂メンバーの関係が頭をよぎってしまいます。

乃木坂46メンバーをキャストに起用すること自体は賛成ですが、多すぎる印象はありました。

その点、乃木坂を知らない方々はあまり違和感なく見れたと思います。

あさひなぐに乃木坂46を起用したデメリット②

なぎなたスポ根マンガである『あさひなぐ』
映画を見ていて、自然と体が熱くなるシーンがいっぱいありました!

旬のアイドルが、超多忙の合間に頑張って練習してくれたのは試合を見ればわかりますが、やっぱり「アイドルに配慮した場面」もありました。

例えば、夏合宿で旭が水を運ぶシーン

暑い夏の日、めちゃくちゃキツイはずなのに、西野七瀬は汗ひとつかいていませんでした。

撮影は4月。メイクさんが気を使って汗を丁寧に拭っていたのかもしれませんが、違和感を感じてしまいました。

あの場面は体力のない旭が必死にもがいているからこそ名シーンになります。でもそれが感じられなかった。本当にキツかったら映像から見てとれると思うんです。

あのシーンをどれだけ原作に忠実に撮影したのかは分かりませんが、多少ラクをしたのは間違いなく、その分、見る側の気持ちも冷めていきました。

『あさひなぐ』1番の名シーンといえば、旭が寧々から一本を取ったシーン。ですが、そのシーンを見ても高揚感はいまひとつでした。

それは、水を運ぶシーンなどで「アレ?」という違和感が蓄積されたから。

試合のシーンを本人自ら希望して演じていることから西野七瀬が努力したのは間違いありません。

それでも「怪我のできないアイドル」が「旭のひたむきさ」を完全に演じきることは絶対にできません。

スポーツの魅力は「予測不可能さ」
それに対して、映画は「作り話」です。

スポ根作品はここが難しいところですが、「作られた物語」を払拭するだけの魅力が映画にあったかというと、というのが正直イマイチな印象です。

乃木坂46ファンの葛藤

西野七瀬というキャラクターは旭にピッタリですが、超多忙な西野七瀬が原作の旭くらい努力したのかというとそんな時間があるはずもありません。

これは西野七瀬のせいではありません。

あさひなぐは乃木坂ファンを多数集めることができますが、集まった乃木坂ファンはアイドルという色眼鏡を通して映画を見てしまいます。

ファンの度合いが強いほど、この色眼鏡は外したくても外せません。

乃木坂メンバーの出演に喜んだのは乃木坂ファンですし、「旭と西野七瀬のちがい」に苦しんだのも乃木坂ファンではないでしょうか。

また、原作ファンもキャラクターとキャストのちがいに苦しんだはずです。

原作ファンでも乃木坂ファンでもない人が1番この映画を楽しめたと思います。

あさひなぐの脚本

賛否アリのキャスティングだった『あさひなぐ』ですが、映画のテンポは素晴らしかったです。

24巻まで発売しているマンガ『あさひなぐ』を2時間前後の映画にまとめるのは至難の技。

どう切り取るのかは監督の腕の見せ所ですが、軽快なテンポで物語が進んでいったので飽きることなく『あさひなぐ』を楽しめました。

所々挟まっていたギャグシーンも良い感じ。西野七瀬のエアバーベキューは最高でしたね!顧問の先生のウザさもバッチリ笑

「剣道と薙刀のちがいに苦しむ将子」や「孤独に頑張る寧々」が描ききれなかったのは残念ですが、仕方がないでしょう。

原作を読めばこのあたりも濃厚に描かれています。

映画『あさひなぐ』を見てなぎなたの世界に興味を持った人は、ぜひ原作も読んでみてください!

きっと映画と同等、いやそれ以上の興奮が待っていますよ!

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