空飛ぶタイヤに5時間釘付けにさせられた感想【WOWOWドラマ】

いやー面白かった!!!!

今更ながら2009年のWOWOWドラマ「空飛ぶタイヤ」を観ました。

普段はドラマをほとんど見ない私。海外出張中ヒマだったので「空飛ぶタイヤ」をダウンロードしたのですが、面白すぎてホテルで見入ってしまいました。

翌日は朝から会議なのに興奮してなかなか寝つけません。こんなに面白いと思える作品に出会えたのは久しぶりです。

WOWOWの連続ドラマは全5話で気軽に見れるのでいいですよね。

5時間釘付けにさせられたWOWOWドラマ「空飛ぶタイヤ」を振り返ります。

空飛ぶタイヤ あらすじ

運送会社社長の赤松(仲村トオル)は、自社トレーラーのタイヤ脱輪による死傷事故が原因で警察から執拗な捜査を受ける。

家族も周囲から孤立し、仕事も激減するが、社員の適切な整備を信じて事故の再調査を訴える。

一方、ホープ自動車の沢田(田辺誠一)は赤松の依頼を機に、常務の狩野(國村隼)を筆頭とした、リコール隠しのための秘密会議(T会議)が社内に存在する事を知る。

そして系列のホープ銀行では調査役の井崎(萩原聖人)がホープ自動車への甘い稟議を求められていたが、友人の記者・榎本(水野美紀)からホープ自動車内に疑念があることも知らされており、判断出来ずにいた。

そんな時、赤松運送にまた一つ大手の取引先から取引停止の連絡が入り…。

出典:http://www.wowow.co.jp/dramaw/taiya/episode/

空飛ぶタイヤが面白い理由

空飛ぶタイヤが面白い理由はいくつもありますが、一番はやっぱり題材ですね。

自動車メーカーのリコール隠し

自動車のCMがバンバン流れる民放では絶対に制作できないドラマです。

原作は「半沢直樹」で有名な池井戸潤さんですが、実話を基にしていたのは知りませんでした。

2000年に三菱自動車にリコール隠し問題があったんですね。当時小4ということもあり全く知りませんでした。

どこまでが実話でどこからフィクションなのか気になります。

題材も見事なのですが、ひとりひとりの登場人物がとにかく濃厚

  • 会社を辞められない
  • 社員を背負っている
  • 婚約相手の恩人にひどいことを言えない

それぞれの立場の苦悩が色濃く描かれていましたね。本当に全5話のドラマなの?と思えないくらい濃密でした。

仕事の場では役割に徹して、時には本心でないことも口にする。

まさにサラリーマンの社会派ドラマでしたね。

空飛ぶタイヤ 感想

登場人物が素晴らしかったので、主要キャストを中心に感想を書いていきます。

赤松社長(仲村トオル)

ちょっと怒鳴りすぎな印象もあったけど、こんなに熱い社長が身近にいてくれたらいいなあ。

本当にハッピーエンドで終わるの?とハラハラするほど不運が重なります。

  • 警察に容疑をかけられる
  • ハブを返してもらえない
  • 社員が退社
  • ホープ銀行からの貸し剝がし
  • 週刊誌に記事が掲載されない
  • 誰も協力してくれない事故調査

いや本当によく頑張った。

1番感じたのは中小企業の社長は本当に激務なんだということ。

ホープ自動車との交渉はもちろんですが、資金調達や事故の原因調査までほぼ一人でやっていましたからね。

「1人やらずに誰かに任せた方が効率いいじゃん」と思うような場面もたくさんありましたが、人手がないんでしょうね。

ハブと引き換えに1億円を提示されて苦悩するところも印象的。1.5億の裁判がなければ、自分なら確実に受け取っていましたね。

愛されてるなあ。

沢田(田辺誠一)

赤松と肩を並べる主役の1人なんですが、中盤以降はやや尻すぼみの印象。

独自に調査をして、社長に直談判を迫ろうとするまでは超かっこよかった。

印象的だったのは明らかに問題があると分かっていながら、赤松に対しては「品質保証部の調査は完璧です」と言い張るところ。

会社員ってすごいな。私だったら絶対に顔色を変えてしまいます。

それにしても開発部の部長は陰湿ですね。そこまでせんでも。

奥さんが完璧すぎて羨ましい。

狩野常務(國村準)

いやー見事な悪役でした。

「私にはホープ自動車の社員数万人の生活を助けねばならない」みたいな謎の正義感をふりかざす。本心は3割程度ってところでしょうか。

香織に心底信頼されていたので人望が厚い人物なのは間違いないでしょう。仕事もできそうですがどこで狂ってしまったのか。

「ドリーマー」を設計した人にそもそも問題がありますが、誰にでもミスはあるもの。

それを隠してしまうのが1番問題ですよね。トップの人が「隠せ」といえば誰も逆らえませんし。

この事件で一番辛かったのはドリーマーを設計した人じゃないかな?

杉本恭子(尾野真千子)

品質保証部の綺麗なお姉さん。

この人が警察にパソコン持っていけば第1話で終わっていた(笑)

母親を助けるために会社員を続けなければならないってのが辛いところですね。

週刊誌にスクープネタを持っていくといくらもらえるのでしょうか。

沢田にお礼を言っていましたが、確かに会社相手にひとりで戦うのは辛いですよね。

銀行マン井崎(萩原聖人)

一番苦しそうだった人。笑ってる顔をほとんど見た記憶がない。

明らさまな政略人事。絶対に強く出れない相手が仕事でもプライベートでもすぐそばにいるなんて辛すぎる。

最愛の相手と別れることができるはずもなく八方ふさがり。

井崎がダメなのは奥さんに相談しなかったこと。

そりゃあ仕事の話を他人にするのは本来NGだし、結婚前のデリケートな時期に奥さんの恩人を悪く言えないのはわかります。

でも最初から全部奥さんに洗いざらい相談していれば、心理的にはかなり楽だったんじゃないかな。

最後は再び結ばれたようだけど、素直になれないとまた問題抱えそう。

榎本記者(水野美紀)

内部告発があったとはいえ、ほぼ1人でスクープ記事を書ききるなんて記者さんは大変だ。

大企業相手だと、事実じゃなかった場合の損害賠償もすごいことになりそうだし。

スクープ記事が掲載されなかった時、「週刊誌にこだわらなくてもブログとかテレビとかでも良いのでは?」と思ったけど、やはり週刊誌が一番なのかな。

自動車のCMいっぱい流してるテレビは不可能。ブログとかだと簡単に消されてしまいそう。唯一可能性があるのは新聞かな?

週間潮流をスパッと辞めたのはカッコよかった。このスクープの実績があればどこでもやっていけそう。

高幡刑事(遠藤憲一)

まさにドラマの刑事って人。熱いけど頭がキレるタイプではない。

全く専門ではない車の構造まで理解しなきゃいけないなんて刑事は大変だね。

途中、上から圧力をかけられていたようなシーンがあったけど、そこが「ホープ自動車関係」なのか「捜査を長引かせたくないから」なのかちょっと気になった。

それにしても家宅捜索って大変だね。会社中の紙の資料を押収することなんてできないし、効率が悪すぎる。

昔ながらのやり方というよりは、パフォーマンスの意味合いの方が強いのだろうか?

しかし、もしこれで何もなかったらどうやって責任とるんだろう。企業側の損失デカすぎるよね。保証金とかあるのかな?

被害者の夫(甲本雅裕)

もうちょっと出番があっても良かった気がする。

この人にとっては事故の原因が「赤松運送」だろうが「ホープ自動車」だろうがどうでもいいんですよね。

妻を失っていながら、誰も責任を取りたがらない現状は辛すぎます。

最近様々な企業で不祥事が相次いでいるけど、自動車メーカーの不祥事は他の不祥事と同列ではないということを痛感しますね。

空飛ぶタイヤ映画化決定

自分はもうお腹いっぱいなのですが、2018年に映画化が決まっています。

「空飛ぶタイヤ」の発行は2006年。10年以上の時を経て映画化されるなんて、いかに凄い作品であることがよくわかります。

ただ、WOWOWで5時間たっぷり描かれた「空飛ぶタイヤ」を2時間の映画が超えることはまず不可能だと思っています。

空飛ぶタイヤはWOWOW会員ならいつでもオンデマンドで視聴可能

また、Amazonプライムビデオでも配信中です。

最高に面白いのでぜひご覧になってください。

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